ひとりでがんばらないことが幸せに生きる道につながる

Vol.5【コロナ禍の介護現場で感じたこと】

 

皆様、こんにちは。

この度、セラピスト名をTAKEMIから夏希優太に改めました。

今回のコラムより夏希優太でスタートいたします。

よろしくお願い致します。

 

さて、新型コロナウイルスによる影響が出始めて一年以上が過ぎました。

東京ではオリンピック開催に伴う感染者増加が懸念され、

ワクチン接種が始まっているとはいえ、まだまだ収束がみえない状況です。

 

今日は、これまでのコロナ禍で、私が介護現場で感じていることを

書いてみたいと思います。

 

介護現場では、

スタッフや利用者様が感染しないための感染対策も勿論大変ですが、

何より一番大変なのは利用者様本人とご家族が会えないことです。

 

コロナ感染が広がっていくなか、

私が勤務する施設も含め多くの施設で面会禁止の措置がとられています。

辛うじて窓越し面会ができるところもあるようですが、

目の前にいるのに触れることが出来ない状況は

利用者様本人とご家族にとっては

大きなストレスになっているのではないかと思います。

 

実際に私の施設でも

利用者様、ご家族ともに変化がありました。

 

それまで定期的に面会のあった利用者様は

面会禁止以降、ご家族のことを口にされなくなりました。

 

ご家族においては、

会えないことで精神的不安定になられた方もおり、

会社と相談をして、

外から居室内におられるご本人の姿を確認してもらう対応をとりました。

それだけでも家族は喜び安心され

実際に触れあえることの重要性や安心感の大きさを感じています。

 

特に認知症の方の場合、会えない期間の内に

家族の顔や存在を忘れたり分からなくなってしまうリスクもあります。

会えないストレスで認知症が進んだり、落ち着かなくなることも。

 

ご家族にとっても同じで、

忘れてしまうではないのか、状態が大きく変わってしまのではないか、

という不安はあると思います。

 

一方で面会制限によるメリットもあると思うのです。

それは面会ができないことで、完全ではないとしても、

家族は一時的に介護から離れる状態となっています。

 

施設入所の場合であっても家族にはそれなりの負担はかかります。

それが軽減されることで、気持ち的には余裕が生まれているはずです。

会えないことの寂しさはあると思いますが、

会えることのありがたさや親御さんの存在の大切さを

改めて認識された方も多いのではないかと感じています。

 

コロナウイルスの収束や気兼ねなく会える状態になるまでには

まだしばらく時間を要すかもしれません。

ワクチン接種が進むことで、

今後面会禁止措置の緩和が徐々にされていくのではないかと思いますが、

ご本人とご家族がまた笑顔で再会できるその時まで

私自身も介護現場で利用者の皆さんを支えていきたいと思います。

 

早くお互いに気兼ねなく会える日がくることを願っています。

Vol.4【認知症の方との関わりから学べること】

 

皆様こんにちは、TAKEMIです。

今回は、認知症の方との関わりの中から学べていることを

テーマに書いていきます。

 

認知症は脳の萎縮等から起こる疾患であり、

物事の理解や順序立てて行動することが難しくなります。

また自分の気持ちを上手く伝えることができないため、

コミュニケーションをとることも簡単ではありません。

 

しかし、そのような状態であっても

その姿から教えていただけることは多いのです。

今回は、私自身が日々の現場から学べている

2つのことをお伝えいたします。

 

まずひとつ目は、

「相手の思いを汲み取ることの大切さ」です。

 

冒頭にも書きましたが、認知症の方は

自分の思いを言葉で表現することが難しくなっています。

その代わりに行動でサインを出してくれることが多いのです。

 

例えば、トイレに行きたい時や身体の不調がある時。

そわそわと落ち着かなくなる方も多く見られます。

私を含めスタッフはその人がどんな気持ちであるか、

何を求めているのかを精一杯考えます。

 

相手の方の求めていることに応えられた時には、

利用者さんの表情も明るくなり、

労いの言葉にも温かみを感じます。

 

認知症の方は言葉を上手く表現できないからこそ

こちら側が相手の思いを汲み取ることがとても大切なのです。

 

ふたつ目は、

「しっかり向き合うことの重要性」です。

 

認知症の方は人の感情に対して

普通の人以上に敏感であると私は感じています。

家に帰りたいという訴えがある方に対して

現実的には難しいですが

次の日には帰れるという対応をすることもあります。

(この部分はとても心苦しいのですが…)

 

でも、認知症の方は

本当のことを言っていないことを見抜いていらっしゃるな、

と感じるのです。

忙しいからじっくり向き合っていられない、

認知症だから忘れてしまうかもしれない、という職員の甘えを

見透かされているように感じるのです。

 

ここから学べることは、

人としっかり向き合うことの重要性です。

 

目の前の方の思いに何とか応えたい、と

真剣な思いで接すると利用者さんはそれに応えてくださいます。

例えうまくいかなくとも怒ったり責めることもせず納得されます。

 

認知症の方は何も分からない、

すぐに忘れてしまう、というイメージが強いと思いますが、

深いところで人として大切なことを

分かっていらっしゃると感じるのです。

 

相手の気持ちを汲み取ることも

相手としっかり向き合うことも

相手が認知症の方だけに限ったことではなく

職場や家庭、日常のコミュニケーションをとる上でも

とても大切なことです。

 

認知症の方とのかかわりは

たくさんのことを教えていただける機会である。

そうした視点を持ちながら関わることで、

私自身の学びへとつながっています。

是非参考にしていただけたら嬉しいです。

Vol.3【今の状況下において、介護に携わるご家族へお伝えしたいこと】

 

皆さん、こんにちは。TAKEMIです。

このコラムも今回が3回目となりました。

 

今、世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を奮っていますが、

その影響は介護の現場においても出てきています。

今回は、今の現状と、介護に携わるご家族に向けて書きたいと思います。

 

まず施設の現状についてですが、

全国的にも多くの入居施設で面会禁止の措置がとられています。

 

デイサービスについては、

私が勤務している施設では休業までは行わず、

短時間利用や外部からの利用者様の受け入れ制限、

利用時間をずらすなどの対応で密となる状況を避けています。

 

ただ当然ながら施設によってはデイサービス自体を休業したり、

訪問介護などのサービス利用を

ご家族自ら自粛されている動きも多いようです。

 

そうなると、介護に携わっているご家族は

自宅でみる時間が増えるため、介護負担は格段に増します。

 

そこで、親御さんが施設入所されている場合と、

在宅で親御さんを見る場合それぞれのケースに分けて

ご家族ができることについてお伝えしたいと思います。

 

まず親御さんが施設へ入所されている場合、

緊急事態にはこの限りではありませんが、

原則は面会禁止で会うことができないため、

現実的に介護から離れる状態となります。

 

一つの思い方ですが、

今は気力を貯めるときなのだと思います。

その上で、もし親御さんの状態を

家族間(兄弟間)で共有できていないのであれば情報共有をしたり、

先々の対応についても確認しあっておいたり、

今まで先送りにしてきたことをしてはいかがでしょうか。

 

一旦休める今だからこそ出来ることをして、

次へ向かう力を蓄えていきましょう。

次に在宅介護の場合ですが、

まず大切なことは、決して一人で抱え込まないということです。

 

デイが休業になったり訪問などのサービス利用を自粛するということは

確実にご家族の介護負担やストレスが増すということです。

抱え込まず、相談できる人や窓口を上手く利用して

ストレスを貯めないように心がけてください。

 

もし、テレワーク(在宅勤務)等で

普段自宅にいないご家族がいる場合には、

協力してもらい負担を分散させることも一つの方法です。

 

ご家族にとっても、親御さんの状態把握や

介助を学べるよい機会と捉えて、介護を通して

家族間のコミュニケーションや結束力を是非深めてみてください。

 

介護は、きれいごとでは済まされないですし、辛いことも沢山あります。

でも、状況は厳しくとも、

捉え方でその中に希望となる面を見い出すことはできると思うのです。

 

入居している親御さんとご家族が不安を解消できるよう、

感染リスクのないオンライン面会を始めた施設もあるようです。

 

介護の現場も日々対応や変化に追われています。

まだまだ先行きが見えない状況ですが、

こんな状況だからこそみんなで共に乗り越えていけるよう、

私自身、未曽有の状況としっかり向き合っていきたいと思っています。

Vol.2【自分の感じている気持ちを大切にする】

 

皆さま、こんにちは。

メンタルセラピストのTAKEMIです。

前回は私の自己紹介をいたしましたが、今回から

私が日々介護の現場に携わるなかで感じていることを元に

幸せに生きるための秘訣を綴っていきたいと思います。

 

今回お伝えしたいテーマは

「自分の感じている気持ちを大切にする」

 

どういうことかといいますと・・・

日々の生活の中では色んな気持ちを持ちます。

嬉しかったり、悲しかったり、怒ったり、イライラしたり。

その、状況によって湧いてくる素直な気持ちを、

きちんと自分の中に受け入れましょう、ということ。

 

私の体験を例としてお話しますね。

 

私は今、認知症を患っていらっしゃる方々と

多く関わらせていただいています。

日々の関わりのなかではうまく進まないことも多く、

時には理不尽なことを言われたりもします。

 

そうすると、

相手の方は病気だと分かっていても

イライラしてしまうこともある訳です。

いつも優しい気持ちで接することが出来ればそれがベストですが、

なかなかそうはいかないこともあります。

 

以前の私は

そんな風にイライラする自分のことをダメだと思っていました。

 

「こんなことでイライラしてしまう自分は心が狭いなぁ…

自分自身が嫌になるよ」と。

 

そして無理やりに

「イライラしてはダメ、いつも優しい気持ちでいないと」と

良い気持ちへ切り替えようとしていました。

 

けれど、切り替えようとすればするほど空回りして

モヤモヤとしている状況から抜け出せませんでした。

 

何故か?

今だから分かるのですが、

自分が実際に感じている気持ちと

頭で考えている気持ちがズレていたからなのです。

 

人には感情があります。

喜怒哀楽、様々な感情があって当たり前であり、

感情に良い悪いはないのですよね。

 

そのことに気付いた私は

自分の感じている気持ちを受け入れることにしました。

 

イライラしているのならその気持ちを素直に認める。

「今自分はイライラしているんだな、

人間だからこんな時もあるよね」と。

ダメだと否定するのではなく、まずは認める。

 

すると、環境は変わらなくても

精神的にとても楽になり、加えて、

対処への気持ちの切り替えもしやすくなったのです。

 

おかげで今は、

利用者さんから理不尽なことを言われたとしても

それを冷静に受け止められるようになり、

言われたことに対しても引きずらなくなりました。

 

イライラや怒りの感情は

イメージとしては良くないものと思いがちですが、

それも含めての自分自身です。

イライラしたっていいのです。

 

私のように施設で働いておられる方、

在宅で介護に携わっておられる方、

日々色んなことがあると思いますが

様々な場面で感じる自分の気持ちを大切にしてみてください。

 

どんな気持ちであってもそれは必要なもの。

まずはきちんと自分の中に受け入れてあげましょう。

それが幸せに生きるための一つの秘訣でもあるのです。

Vol.1【一人でがんばらない】

 

初めまして。

山口県在住のTAKEMIと申します。

メンタルセラピストとして活動しておりますが、

普段は介護士として企業で働いております。

 

現在の日本は

世界的にみても総人口に対する高齢化率が高い状況にあり、

それは今後も上昇していく流れにあります。

高齢の方が増加していく中で、

介護の問題は避けられないものであり、

深刻な問題となっています。

 

私自身が日々の介護の現場で感じていること等を発信することで

今現在介護問題に直面されていらっしゃる方々の

何かのヒントにつながればいいな、との思いから

コラムを書かせていただくことになりました。

 

第一回目の今回は、

コラムの主タイトルに込めた想いについて書きたいと思います。

 

このコラムの主タイトルは、

「ひとりでがんばらないことが幸せに生きる道へつながる」です。

 

介護、と一言で言っても、

家族に加え、行政やケアマネージャー、

デイサービスや有料ホーム等の施設サービス、医療等、

各方面から一人の高齢者を支えています。

 

支える側もまた

制度や相談機関を知りそれを活用していくことで

自身たちも疲弊することなく携われています。

 

介護の世界に限らず

日常生活においても同じことが言えると思うのですが、

人は決して一人で生きている訳ではなく、

一人で生きているように思っていても

実際には周りからのサポートを受けているものです。

 

親の介護においても

一人でがんばらないといけない、と思いがちですが、

そうではなく

大変な時には周りへSOSを出して良いのです。

 

そうすることが結果として

双方にとってプラスに働くケースを数多く見てきました。

周りに助けを求めることで気持ちにも余裕がうまれ、

また次に向かう気力も湧いてくる。

これは介護をする上でとても大事なことなのです。

 

周りに助けを求めることは決して恥ずかしいことではありません。

助けてもらったり、逆に助ける側になったり。

そうした支え合いの中で感じることや気づきもまた

幸せに生きていく道への種になっていくと日々感じています。

そうした想いを込め、このタイトルを付けました。

 

次回からは

日々の介護の現場を通して感じていることを

お伝えしたいと思います。

これからどうぞよろしくお願いいたします。